塾の講師不足を乗り越える5つの対策とは|有馬守の「教室経営の選択肢」#07

COLUMN

塾の講師不足を乗り越える5つの対策とは|有馬守の「教室経営の選択肢」#07

2026.08.26

#有馬守の「教室経営の選択肢」

講師が採れない、辞める——その悩みは構造的な問題です

「求人を出しても応募が来ない」「やっと採用した講師がすぐ辞めてしまう」——こうした声が学習塾経営者の間で急増しています。これは採用の努力不足ではなく、大学生アルバイト市場そのものが変わりつつある構造的な変化の表れです。

この記事では、講師不足の背景にある数字を確認した上で、今から取り組める5つの対策を整理します。採用強化から指導モデルの見直しまで、複数の選択肢を公平に比較しながら、自塾に合ったアプローチを選ぶ判断材料にしてください。

なぜ今、講師が集まらないのか

問題の根を理解するために、まず市場の実態を確認しておきましょう。

マイナビが2026年2〜3月に大学生735名を対象に実施した「大学生アルバイト調査2026」によると、アルバイト選びで最も重視する条件の1位は「シフトの融通がきく」で40.2%でした。「学業との両立」が35.6%で2位に続いています。つまり、大学生の4割は働く時間帯の柔軟性を最優先で仕事を選んでいます。

一方、学習塾の講師アルバイトは原則として曜日・時限が固定された「コマ制」です。週に決まった曜日の決まった時間に来られる人しか採用しにくい構造は、「シフトの融通」を重視する層からは最初から選ばれにくい職場になっています。

さらに賃金面でも逆風が続いています。求人ボックスの2026年5月集計では塾講師の平均時給は1,342円。2025年度の全国最低賃金加重平均1,121円との差は約220円まで縮まっており、「割に合わない」という印象は根拠のある感覚です。個別指導塾に根強い「コマ給」制(授業時間以外の準備・報告が無給)の慣行も残っており、実質時給を下げる要因になっています。

加えて、2026年度の最低賃金は7月下旬に答申が予定されており、全国平均が1,200円前後に迫る見通しです(厚生労働省 中央最低賃金審議会、2026年7月時点)。採用コストと人件費は今後も上昇する方向にあります。

講師不足への5つの対策

問題の構造を踏まえると、打ち手は大きく分けて「採用側の努力でギャップを埋める」方向と「講師への依存度そのものを下げる」方向の二軸に整理できます。どちらか一方に絞る必要はなく、自塾の規模・指導スタイル・財務状況に応じて組み合わせるのが現実的です。

1. シフト設計を見直し、応募しやすい求人に改善する
最もシンプルな一手は、今の求人条件を大学生目線で見直すことです。「週2日・1コマから可」「時間帯を選べる」「定期試験期間は休み調整可」といった柔軟性を求人票の冒頭に明記するだけで、応募数が変わることがあります。

コマ給制の見直しも検討に値します。準備時間・報告書記入時間に対して正直に時給を支払う設計に変えると、「割に合わない」という離職理由を減らせます。時給水準が同じでも「実質的な手取り」が変われば選ばれやすくなります。

2. 採用チャネルを多様化する
大学の掲示板や求人サイトに加え、自塾の卒業生・在籍生への声かけは有効です。自塾での学びを知っている卒業生は指導方針の理解が早く、定着率が高い傾向があります。同様に、地域の教員志望学生や教育学部との連携も選択肢です。地元大学のキャリアセンターへの直接訪問は、汎用求人サイトでは届かない層へのルートになります。

ただし採用チャネルを広げることは「入口」の改善であって、根本的な採用難の構造は変わりません。他の対策と組み合わせることで効果が高まります。

3. 料金改定で講師1人あたりの収益性を改善する
現在の月謝水準が5年以上変わっていない場合、人件費の上昇を収益で吸収できなくなっている可能性があります。

塾シルが2026年7月に公表した中高生保護者249名への調査では、91.2%が塾費用に負担を感じると回答する一方、57.7%は費用を「妥当・適正」と回答しています。つまり過半数の保護者は、成果が見えていれば現状の料金水準を受け入れています。値上げの余地がゼロではない一方で、成果の見える化(定期テストの点数推移の共有など)が前提条件となります。

4. 業務の棚卸しで「講師でなくてよい仕事」を切り出す
教室運営に占める業務の中には、指導経験が必要なものとそうでないものが混在しています。入退室管理・プリント準備・問い合わせ対応などを事務スタッフや自動化ツールに委ねることで、講師の負担を減らし少ない人数で回せる体制に近づけられます。

「講師が足りない」と感じている状況の一部は、実は「講師でなくてもよい業務を講師にやらせている」ケースです。業務の棚卸しは採用コストをかけずに即日着手できる改善です。

5. 指導モデルを見直し、講師1人が担える生徒数を増やす
個別指導の標準的な比率は講師1人対生徒1〜3人です。この比率を維持したまま生徒数が増えると、必要な講師数は比例して増え続けます。採用難が慢性化している場合、この指導モデル自体を見直すことが根本的な解決につながることがあります。

選択肢の一つとして、映像授業を活用した「セミ個別」や自立学習型モデルへの移行があります。生徒が映像で内容をインプットし、講師は質問対応・進捗チェック・学習計画の管理に役割を限定する設計です。この方式では、1人の講師が10〜15人程度の生徒を同時に見られるようになります。

選択肢の一つとして:映像授業教材 EduPlus+

映像授業活用の具体例として、弊社が提供する「EduPlus+(エデュプラス)」をご紹介します。

EduPlus+は教科書準拠の映像授業教材(小中高向け)で、採用塾数2,500塾・6,000教室以上の実績があります(2026年時点)。最大の特徴は「生徒ごとに好きな時間に受講できること」です。固定時間割に縛られないため、部活動や他の習い事との兼ね合いで来塾日が不規則な生徒にも対応しやすくなります。

スケジュール管理機能により、定期テストや長期休みを節目にした個人別の学習計画を自動作成できます。講師は「何をどこまで終わらせるか」の計画立案と進捗確認に専念できるため、授業時間の使い方が変わります。1人の講師で10〜15人の生徒を同時に担当する「ワンオペレーション運営」を実現している塾も出てきています。

ただし映像授業モデルには向き不向きがあります。定期テストで30点を切るような基礎が手薄な生徒には、映像でのインプットより先に個別のつまずき解消が必要です。また、映像はインプットに強い反面、アウトプット(問題演習・記述指導)は別途設計が必要です。自塾の生徒層や指導方針と照らし合わせた上での導入検討をお勧めします。

EduPlus+の詳細や導入事例については、下記よりお気軽にお問い合わせください。

まとめ:採用努力だけでは限界がある時代へ

講師不足は、採用担当者の頑張りだけで解決できる問題ではなくなりつつあります。大学生のシフト観の変化、最低賃金の継続的な上昇、少子化による塾間競争の激化——これらは個別の塾が変えられない外部環境です。

だからこそ、対処の視点を「採用を増やす」だけでなく「講師への依存度を下げる運営設計」にも向けることが、中長期的な安定経営につながります。

今回紹介した5つの対策は、すべてを同時に実施する必要はありません。まず自塾の状況(生徒層・現在の講師数・指導モデル・月謝水準)を棚卸しし、一番の詰まりがどこにあるかを確認するところから始めてみてください。

どこから着手すべきかを相談したい方は、まずお気軽にお問い合わせください。
自塾の状況を踏まえた具体的な提案をいたします。

詳しくは無料相談でご説明いたします

株式会社名大SKY (担当:有馬、平野、勝野)
電話  0561-52-5517
Mail  eduplus@meidaisky.jp

有馬 守(ありま まもる)
有馬 守(ありま まもる)

株式会社名大SKY 常務取締役

大学2年生の頃より、アルバイト講師として名大SKYに入社。大学卒業後はそのまま正社員として勤務し、教室の立ち上げや、中学生向け映像教材を活用した自立型学習塾の運営・指導に携わる。以後25年にわたり、全国の学習塾様に向けて、映像教材「エデュプラス」をはじめとした自社コンテンツの開発・提案・拡販に従事。

自身の指導経験と、全国の塾現場との数多くの接点を武器に、「現場を知る営業マン」として、全国を飛び回っている。

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