個別指導塾が講師を採用できない3つの理由と対策|有馬守の「教室経営の選択肢」#08

COLUMN

個別指導塾が講師を採用できない3つの理由と対策|有馬守の「教室経営の選択肢」#08

2026.08.28

#有馬守の「教室経営の選択肢」

「また応募がゼロだった」という現実

「募集をかけてもまったく集まらない」「やっと採用できたのに3か月で辞めてしまった」——そう打ち明ける個別指導塾の経営者が増えています。少子化で生徒の確保も難しい時代に、運営を支える講師まで揃わないとなれば、経営の根幹が揺らぎかねません。

この記事では、個別指導塾で講師採用が特に難しくなっている構造的な理由を整理したうえで、採用そのものを改善する方法から、講師に過度に依存しない運営体制の再設計まで、複数の対策を具体的に解説します。

なぜ今、個別指導塾では採用できないのか

理由1: 時給の”見かけ上の高さ”が崩壊しつつある
求人ボックスの2026年5月集計によると、塾講師の平均時給は1,342円です。一見、最低賃金(2025年度全国平均1,121円)より高く見えます。しかし、この差はわずか約220円まで縮まっています。コンビニやカフェのアルバイトとほぼ変わらない水準です。

さらに問題なのが、個別指導塾に根強く残る「コマ給」の慣行です。授業コマだけに賃金が発生し、授業前の準備時間・生徒ごとの報告書記入・保護者への連絡対応などは無給のまま。これらの作業を含めると実質的な時給はさらに下がります。「割に合わない」というイメージが大学生の間で定着しつつあり、応募数の減少に直結しています。

理由2: 大学生が「シフトの融通」を最重視するようになった
マイナビキャリアリサーチLabが2026年2〜3月に大学生735名を対象に実施したアルバイト調査では、アルバイトを選ぶ際に最も重視する条件として「シフトの融通がきく」が40.2%でトップでした。「学業との両立」も35.6%と高く、時間を自分でコントロールできることが学生にとって最大の関心事になっています。

個別指導塾は、生徒と講師の時間を合わせるため、固定曜日・固定時間帯での勤務を求めることが多く、この点でシフト自由度の高い飲食・販売系アルバイトに比べて構造的に不利な立場に置かれています。

理由3: 個別指導の運営モデルそのものが人手を要求する
集団指導であれば、1人の講師で10〜30人の生徒に授業できます。しかし個別指導(マンツーマンや1対2〜3の対応)では、生徒数に比例して講師が必要です。生徒が増えるほど採用プレッシャーが高まる構造のため、採用難が直接、教室の収容力の限界となって現れます。

解決の選択肢

講師採用の難しさへの対応策は、大きく3つの方向性に整理できます。いずれかを選ぶというより、自塾の状況に合わせて組み合わせるのが現実的です。

選択肢1: 採用条件・職場環境の改善で応募数を増やす
最も直接的な方法は、採用競争力そのものを上げることです。具体的には次のような施策が考えられます。

  • コマ給を廃止し、準備・報告書作業を含む時間を時給に組み込む
  • 固定シフトを緩和し、週ごとに申告できる柔軟なシフト制に変更する
  • 近隣大学のキャリアセンターや学内掲示板への定期的な求人掲載
  • 在籍講師からの紹介制度(リファラル採用)の導入

特にシフトの柔軟化は、調査結果からも大学生の離職防止に直結します。「週2コマからOK」「試験期間前は申請なしで休める」といった条件を明示することで応募数の改善が見込めます。

選択肢2: 業務を整理して1人あたりの負荷を下げる
採用数を増やすより先に、現在の講師の負担を軽減して定着率を上げることも有効な対策です。授業以外の業務をリストアップし、「本当に講師でなければできないか」を問い直してみてください。

  • 定期連絡(保護者へのメッセージ)をテンプレート化する
  • 報告書の記入項目を最小限にする
  • 自習監督は塾長または事務スタッフが対応し、講師は指導のみに集中させる

小さな塾ほど講師に雑務が集中しがちです。業務を切り分けることで、講師の「実質的な仕事の質」を上げ、辞めにくい環境をつくれます。

選択肢3: 講師1人あたりの担当生徒数を増やせる運営モデルへ移行する
採用の問題に抜本的に対処するなら、「生徒数が増えるたびに講師が必要になる」という構造自体を見直すことも選択肢の一つです。

映像授業・自立学習システムを活用した運営モデルがこれにあたります。映像で授業のインプット部分をカバーし、講師は生徒の理解確認・質問対応・学習管理に専念する役割分担にすることで、1人の講師が対応できる生徒数を増やすことができます。

こうした運営モデルは「採用できない」という問題の解決策でもありますが、同時に最低賃金上昇に伴う人件費増の吸収策としても機能します。

選択肢の一つとして: EduPlus+による運営体制の再設計

映像授業を活用した自立学習モデルの一例として、名大SKYが提供するEduPlus+(エデュプラス)があります。

EduPlus+は教科書準拠の映像授業教材(小中高向け)で、発売から25年・2,500塾以上(2026年時点)の学習塾に導入されています。最大の特徴は、講師が「教える」役割から「管理・コーチング」の役割に移行できる運営設計にあります。映像がインプットの主役を担うため、1人の講師で10〜15人、運営が軌道に乗れば20人規模の生徒を担当できるとされています。

生徒ごとに学習スケジュールが自動で生成され、「いつ・何を・どこまで」学んだかを記録する受講管理機能も備えています。採用できる講師が限られている状況でも、生徒数を無理に絞らずに済む可能性があります。

導入を検討する場合は、まず自塾の生徒層(学力帯・通塾頻度)と現状の運営体制を整理してから判断されることをお勧めします。映像授業への適性には個人差があり、すべての生徒に合うわけではありません。名大SKY自身も、定期テストで30点を下回るような学力層には向きにくいと明言しています。

EduPlus+の詳細やサービス内容については、下記からお問い合わせいただけます。

まとめ: 採用難は「仕組み」で乗り越える

個別指導塾が講師を採用できない背景には、時給競争力の低下・シフト柔軟性の不足・運営モデルの人手依存という3つの構造的な要因があります。採用条件の改善で応募数を増やすアプローチと、講師1人あたりの生産性を高める運営モデルへの移行は、どちらか一方ではなく組み合わせることで効果が出やすくなります。

「採用できないから運営が回らない」という悪循環から抜け出すためには、募集広告の見直しだけでなく、教室の運営体制そのものを問い直す視点が欠かせません。どの対策から着手するかは、自塾の規模・生徒数・現在の講師体制によって異なりますが、まず手をつけやすいのは採用条件の見直しと業務の整理です。そのうえで、中期的な視点として運営モデルの再設計を検討されることをお勧めします。

どこから着手すべきかを相談したい方は、まずお気軽にお問い合わせください。
自塾の状況を踏まえた具体的な提案をいたします。

詳しくは無料相談でご説明いたします

株式会社名大SKY (担当:有馬、平野、勝野)
電話  0561-52-5517
Mail  eduplus@meidaisky.jp

有馬 守(ありま まもる)
有馬 守(ありま まもる)

株式会社名大SKY 常務取締役

大学2年生の頃より、アルバイト講師として名大SKYに入社。大学卒業後はそのまま正社員として勤務し、教室の立ち上げや、中学生向け映像教材を活用した自立型学習塾の運営・指導に携わる。以後25年にわたり、全国の学習塾様に向けて、映像教材「エデュプラス」をはじめとした自社コンテンツの開発・提案・拡販に従事。

自身の指導経験と、全国の塾現場との数多くの接点を武器に、「現場を知る営業マン」として、全国を飛び回っている。

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