COLUMN
園児募集が難しい時代に取るべき5つの対策|有馬守の「教室経営の選択肢」#18
2026.09.23
少子化が進むなかで、「例年と同じ方法で募集しているのに入園者が増えない」「近隣の園との競合が激しくなってきた」と感じている園長・経営者の方は少なくないのではないでしょうか。
かつては地域に保育施設が不足していたため、希望者が自然と集まる時代がありました。しかし今は、施設数が増えたうえに対象となる子ども自体が減り続けるという、構造的に厳しい環境に変わっています。
この記事では、園児募集が難しくなっている背景を整理したうえで、経営者が実際に取り得る対策を5つ紹介します。自園の状況と照らし合わせながら、取り組める施策を検討する際の参考にしてください。
なぜ今、園児募集は難しくなっているのか
少子化と施設数の増加が同時進行している
総務省統計局のデータによると、2026年4月1日時点の15歳未満人口は1,329万人で、45年連続の減少となっています(出典:総務省統計局、2026年4月公表)。2025年の出生数は705,809人と10年連続で過去最少を更新しており、国の将来推計より17年も早いペースで少子化が進んでいるとされています。
一方で、過去10年にわたる保育所整備が続いたため、施設数は増え続けてきました。その結果、対象となる子どもの数が減る一方で園の数が増えるという「供給過多」の状態が各地で生じています。
「選ばれない園の淘汰」が始まっている
帝国データバンクの調査によると、2025年上半期(1〜6月)の保育園運営事業者の倒産・休廃業・解散は22件に達し、前年同期(13件)を大幅に上回って通年で過去最多になる見通しです(出典:帝国データバンク、2025年7月公表)。
かつては「近くに保育園があれば入る」という時代でしたが、今は「どの園にするか選ぶ時代」に変わりつつあります。預かり機能だけで選ばれる時代はすでに終わりを迎えており、「この園ならではの価値」を保護者に示せるかどうかが、募集の明暗を分けるようになっています。
こども誰でも通園制度の普及が新たな競争を生む
2026年4月から全国の自治体で「こども誰でも通園制度」の本格実施が始まりました。就労要件なく月最大10時間・1時間300円で0〜2歳児を預けられる制度で、神戸市では7月から実施施設を44カ所から137カ所へ大幅に拡大しています(出典:神戸市、2026年7月公表)。
この制度は施設への流入機会を増やす一方で、保護者が複数の施設を気軽に比較・体験できる環境をつくります。初めて接した施設の印象が、その後の入園先選びに直結するため、「選ばれる質」を高めることの重要性がさらに増しています。
5つの対策
対策1:入園動機になる「コンテンツ」を打ち出す
保護者が園を選ぶ際、立地・保育料・施設の雰囲気と並んで「どんな教育・体験ができるか」を重視する傾向が強まっています。他園との差別化を図るうえで、保育の質に加えて体験価値の明確化が有効です。
具体的には、プログラミング、そろばん、英語、美文字など、園内で完結できる教育コンテンツを取り入れて「この園に入れば〇〇が学べる」という入園動機を作る方法があります。コンテンツの種類よりも「ここだからできる体験がある」という明確なメッセージが保護者に刺さりやすいと言えます。
なお、こうした課外・習い事コンテンツを自前で開発・運営しようとすると講師確保や教材開発のコストが重くなりがちです。外部の教材パッケージを活用する選択肢については、後述します。
対策2:在園児の「口コミ」を意図的に設計する
新規募集において最も信頼性が高い情報源は、在園児の保護者からの口コミです。しかし「口コミを増やして」と依頼するだけでは動きません。
口コミが生まれやすい設計として有効なのは、「写真を撮りたくなる・話したくなる体験」を意図的につくることです。発表会・展示会・検定試験など、子どもの成長が可視化される場面を増やすと、保護者が自然とSNSや会話で共有するきっかけになります。成果が見えることは、在園継続率の維持にも効果があります。
対策3:地域への露出ポイントを増やす
入園を検討する保護者が最初に接触する情報源として、InstagramなどのSNS、Googleマップのクチコミ、地域の子育て情報サイトなどが挙げられます。これらの媒体で自園の活動や雰囲気を継続的に発信することが、認知の拡大につながります。
特に就学前の保護者はスマートフォンで情報収集する割合が高く、「検索して出てこない園は存在しないも同然」という状況に近づいています。月数本の投稿でも、継続することで徐々に検索流入が増えます。
また、園の外から見える環境(看板、外観の掲示物、送迎時の雰囲気)も潜在的な認知経路です。通りがかりの保護者が「どんな園かな」と思える工夫を積み重ねることが、長期的な集客基盤になります。
対策4:保護者との接触頻度・タイミングを増やす
入園を決める保護者が「比較検討」から「入園申込」に動くには、複数回の接触が必要です。一度の見学会だけで申し込む家庭は多くありません。
見学会・説明会の開催に加え、「未就園児向けの親子イベント」「体験プログラム」など、入園前の接点を複数用意すると、保護者との関係構築が進みます。特に4〜6月は翌年度入園を考え始める家庭が増えるタイミングであり、この時期に園の存在を認知してもらえると、秋の説明会・申込につながりやすくなります。
さらに、こども誰でも通園制度を活用して実際に施設を体験してもらうことも、潜在的な入園希望者への直接アプローチになります。
対策5:料金・定員設計を見直す
保育料については、助成制度の拡充により家庭の実質負担が下がっているケースが多い一方、「見えにくいコスト(行事費・送迎費・延長料金等)」への不満が残りやすい構造があります。
料金設定を見直す際は、単純な値下げではなく「何に対してどのくらいかかるかが分かりやすい料金体系」へのシフトが有効です。また、延長保育・習い事・個別対応などをセットにしたプランを設計することで、単価と満足度の両立を図ることができます。
定員については、充足率が慢性的に低い場合、規模を縮小して1人ひとりへの手厚さを売りにする方向も選択肢のひとつです。大規模・低単価より小規模・高付加価値という方向性が、今後の市場環境に合っている場合もあります。
選択肢のひとつとして:習い事コンテンツの導入パッケージ
上述した対策のうち「入園動機になるコンテンツを作る」を検討する場合、自前開発のほかに、外部の教材パッケージを活用する方法があります。
株式会社名大SKYが提供する「カルチャーキッズ」は、幼稚園・保育園・こども園向けにも展開できる会員制の教材パッケージです。マインクラフトを使ったプログラミング、そろばん、美文字キッズ、幼児向け思考力教材・右脳開発教材など複数のコンテンツを揃えており、専門知識がなくても指導できる動画研修付きの設計になっています。
加盟金・ロイヤリティの構造ではなく月会費制のため、導入コストを抑えながらまず試してみることができます。幼児期から年齢に合ったコンテンツを提供することで、「体験価値のある園」としての訴求につなげることができます。
詳細は以下よりお問い合わせください。
まとめ
園児募集の難しさは、個別の努力だけでは解決しにくい構造的な問題を含んでいます。少子化の加速と施設数の増加によって、保護者は確実に「選ぶ立場」になっており、選ばれる理由を持たない園は徐々に定員を維持できなくなる傾向が続いています。
対策の方向性は大きく「差別化・付加価値の強化」「接触機会の設計」「料金・定員の見直し」の3軸に整理できます。いずれも一度試して終わりではなく、継続的に改善していく取り組みが必要です。
まずは自園の現状を整理し、取り組みやすいところから着手することをお勧めします。
どこから着手すべきかを相談したい方は、まずお気軽にお問い合わせください。
自塾の状況を踏まえた具体的な提案をいたします。
詳しくは無料相談でご説明いたします
株式会社名大SKY (担当:有馬、平野、勝野)
電話 0561-52-5517
Mail eduplus@meidaisky.jp

有馬 守(ありま まもる)
株式会社名大SKY 常務取締役
大学2年生の頃より、アルバイト講師として名大SKYに入社。大学卒業後はそのまま正社員として勤務し、教室の立ち上げや、中学生向け映像教材を活用した自立型学習塾の運営・指導に携わる。以後25年にわたり、全国の学習塾様に向けて、映像教材「エデュプラス」をはじめとした自社コンテンツの開発・提案・拡販に従事。
自身の指導経験と、全国の塾現場との数多くの接点を武器に、「現場を知る営業マン」として、全国を飛び回っている。

